互換レイヤ自体はまぁ、普通の苦労で済んだのだが、そこから先が大変だった。Ubuntu 16.04では動くがTravis上のUbuntu 12.04ではテストがこけるとか、VS2013でのCランタイムではテストがこけるとか完全に環境依存の問題に移行したのである。ちなみに嵌ったのは以下:
- VS2013以降のtgammaはアンダーフローが起きると0.0を返すが、Linux(glibc)では-0.0が返る(たぶんどっちも仕様上はOK)
- VS2013以降のynは第二引数が0.0だとNaNを返すが、Linux(glibc)では-inf.0が返る(POSIX見ると第二引数が0.0だとpole errorで-HUGE_VALとあるが、C99が同義かはしらない)
- glibcの特定のバージョン(2.21以下と思われる)ではremquoとlogbが不正な値を返すことがある。(remquoについてはバグレポートを見つけたが、logbは完全に勘。下手するとeglibc固有の問題化もしれない)
- fl-leastはDBL_TRUE_MIN(C11)が割り当てられるので、どのバージョンのVSがサポートしてるか不明
苦労の甲斐があるかはわからないが、Sagittarius上で浮動小数点を扱う際はこのSRFIを使うとCと同等の速度が得られることだけは保証されるようになった。っが、個人的に浮動小数点はあまり使わないので、自分では有難みを享受できないという悲しい話もあったりなかったりする。