実際、覚えるまでは「なんでこんなもの」なんて思ってたけど、実装者泣かせなだけで使用する分にはこの上なく便利だと思うし、毛嫌いされる理由の一つに「サンプルが少ない」というのがある気がするので、その解消になればとも思う。実際、syntax-rulesだって十分複雑じゃね?とも思うが、こいつはR5RSからのサンプルが結構あるから慣れたというのが大きい気がする。(未だに、複雑なパターンマッチは書けないけど...)
とりあえず以下が便利そうに使えるのではないかと思われるコード片。
(import (rnrs))
(define (format** . args) ...)
(define-syntax format*
(lambda (x)
(syntax-case x ()
...)))
(define-syntax format
(lambda (x)
(syntax-case x ()
((_ fmt args ...)
(string? (syntax->datum #'fmt))
#'(format* #f fmt args ...))
((_ port fmt args ...)
(string? (syntax->datum #'fmt))
#'(format* port fmt args ...))
((_ . rest)
#'(format** . rest))
(var (identifier? #'var) #'format**))))
さすがに中身までは実装してないけど、見た目で何をしているのかなんとなくは分かってもらえると思う。formatはエントリポイントで、そこから引数に応じて適切にdispatchするという寸法。format文字列を動的に作るってのは(やらないわけじゃないけど)かなり少数派なのでマクロ展開時文字列だと分かっているのであれば展開してしまおうという寸法。また、syntax-caseでは最後のパターンのように「残り全て」みたいな書き方ができるので、その際にformat単独で現れているのであれば、下請け手続きを返すみたいなことをすれば以下のようにapplyにも渡すことができる。
(apply format "~a" 'a '())これは単純に、以下のように展開されるだけ;
(apply format** "~a" 'a '())identifier?でチェックしているのは、そうしないと妙なものまで使えるようになってしまうから。(まぁ、上記の場合だと、3つ目のパターンではじくはずだけど)
この手法はIndustriaの(weinholt struct pack)ライブラリで使われていて、ちょっと目から鱗だった。
「適用可能なマクロ」なんて書いたけど、実際にapplyで使えるわけではなく、「そう見せかける」だけである。っがこれを使えばCLにあるコンパイラマクロっぽい挙動が可能になるので処理系のコンパイラに依存したくないとか、使ってる処理系の最適化がしょぼいとか、逆にここを展開できれば処理系の更なる最適化が期待できるなんてときにはいいかもしれない。
もちろん、弊害もある。マクロ版の実装と手続き版の実装の2つをメンテしないといけないこと。上記の例なら、format文字列になにか新しいのを追加したいとなった際に、書き方にもよるだろうが、両方をいじる必要がでるかもしれない。
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