わざわざネタを提供してくれたとしか思えないタイミングで携帯が鳴った。
知らない電話番号だ。
誰かが番号ポータビリティ制度を無視して番号を変えたか、
などと思いながら、半分寝ていた頭を起こしながら電話を取った。
けたたましいというのがこれほど似合うのも珍しいだろうと思える声が
電話越しに耳に突き抜ける。
知らない電話からはやはり知らない人間だった。
後悔と不快感に襲われながら相手に名乗られら。
いつもどおりだった。
「アルコフェリーチェ」
この単語を聞いた瞬間に、やる気のない自分の声からさらに不快感の混じった声が漏れる。
漏れてるはずだった。
普段の自分からは信じられないくらい低い声、抑揚のない喋り方、適当な相槌、
これだけやっても相手は一向にひるまない。
それどころか、
「優しい人」
などというわけの分からない評価を受けた。
俺は優しく話してなどいない、
何度も反芻しながら声の中に不機嫌さをさらに織り込んだ。
それでも相手に変化は見られない、
どういうことだ、
頭のなかでアラートが鳴っている気がした。
このままでは、予定が大幅に狂わされるかもしれない。
電話越しの相手は一応女性、あまり強い言葉を言うことができないへたれな俺は、
とにかく気のない返事と抑揚のない声で応戦するしかなかった。
長い戦いだった。
終わってみれば47分という数字が携帯のディスプレイに表示されてた。
くだらない電話を取ってしまったがために、
たけしの誰でもピカソを8割方見逃していた。
あぁ、知らない人に対して人当たりがいいというのも考え物かもしれない・・・orz
2 comments:
優しい?
人当たりがいい?
いや、馬鹿なだけですよ。
ひどい言われようだ・・・
否定はしませんけどね(゚∀゚)
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