四月馬鹿お終い。
Sagittarius は意外にも JSON 周りのライブラリが充実している。開発者である僕の本業が Web 系だからというのも要因の一つだと思う。一昔前の XML みたいな位置に JSON がいるのが大きい。最近書いてるアプリでこれらのライブラリをふんだんに使って我ながら便利な物を書いたものだと感心したので宣伝を兼ねて自慢することにする(これくらいの勢いじゃないとブログ書くネタがないともいう)。
簡単なクエリ
(text json pointer)
は簡単な JSON クエリを提供する RFC6901 を実装したもの。対象となる JSON の構造や配列の要素番号が予め分かっている時に使える。こんな感じ
(import (rnrs) (text json pointer) (text json)) (define id-pointer (json-pointer "/id")) (id-pointer (call-with-input-file "a.json" json-read))これで JSON オブジェクトが id フィールドを持っていれば引っ張ってくる。id-pointer はクロージャなので再利用可能。
複雑なクエリ
(text json jmespath)
は割と複雑なクエリ言語を提供する。前にも紹介記事を書いてるので簡単な使い方はそっちを参照。JSON Pointer では書けないようなクエリを書く際はこっちを使う。例えば、JSON オブジェクトを要素にする配列から name フィールドと description フィールドのみを返すようなクエリはこんな感じで書ける
(import (rnrs) (text json jmespath) (text json)) (define name&desc (jmespath "[].[name, description]")) (name&desc (call-with-input-file "b.json" json-read)) ;; -> (("name of a object" "description of a object") ...)これ以外にも便利な使い方や、組み込みのクエリー関数があって便利。
変更
(text json patch)
は RFC6902 JSON Patch を提供する。他言語での実装と違うのは入力を変更しない点。関数型とかそう言うのではなく、副作用で実装するのは無理ゲー(と言うか不可能)だったからと言うのが真実。こんな感じで使う
(import (rnrs) (text json patch) (text json)) (define id-patcher (json-patcher '(#(("op" . "add) ("path" . "/id") ("value" . 1234))))) (id-patcher (call-with-input-file "c.json" json-read)) ;; -> #(("id" . 1234) ...)id-patcher はクロージャなので再利用可能。
与太話
これらのライブラリは Scheme に於けるベクタ操作の貧弱さに辟易したので開発されたとも言える。Sagittarius でデファクトとして使っている JSON の S式表現は元々 Chicken Scheme にあった実装を持ってきている。理由は何故かは知らないが、これが JSON オブジェクトをベクタで表していたのが事の発端とも言える。これらのライブラリは元の表現が普通に alist でやられていたらきっと産まれなかっただろうので、人間万事塞翁が馬みたいな気持ちになるなる(何度変えてやろうかと呪ったか分からん…)
結果を見ればこの上なく便利なライブラリが出来上がったとも言えるのであの時のどす黒い感情はうまく浄化されたのだろう。ということにしておく。
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