SRFI-41はストリームを扱いSRFIです。 元々はSRFI-40があってそれが廃止になり、初のR6RS用SRFIとして決定されたという経緯があるみたいです。MLからは時系列が今一把握できないのでどういう風に遷移したのかは単なる推測です。どうでもいいのですが、SRFI-40は2004年8月22日に最終になり、SRFI-41は2007年10月21日に最初のドラフトが出ているのですが、後続のSRFI-42が2003年2月20日に最初のドラフトが出ていて、どういう経緯で番号をねじ込んだのかとかが気になってたりします。当時を知っている方がいらっしゃれば是非うかがいたいところです。
ストリーム自体はよく知られた概念かと思いますので、詳しい説明は省くことにします。このSRFIではストリームをリストとみなして扱えるようなAPIを提供しています。使い方は以下。
(import (rnrs) (srfi :41)) (define strm123 (stream-cons 1 (stream-cons 2 (stream-cons 3 stream-nil)))) #| ;; above can be written like this as well. (stream 1 2 3) |# ;; -> stream (stream-car strm123) ;; -> 1 (stream-car (stream-cdr strm123)) ;; -> 2 (stream-map (lambda (v) (* v v)) strm123) ;; -> stream (stream-car (stream-map (lambda (v) (* v v)) strm123)) ;; -> 1 (stream-car (stream-cdr (stream-map (lambda (v) (* v v)) strm123))) ;; -> 4正直この例だと特に恩恵はありません。むしろ、いろいろ面倒なだけです。
例えばOCamlではファイルの読み込みを行うストリームがあります。このSRFIでも似たようなことが可能です。こんな感じ(SRFI本文から拝借)。
(define-stream (file->stream filename) (let ((p (open-input-file filename))) (stream-let loop ((c (read-char p))) (if (eof-object? c) (begin (close-input-port p) stream-null) (stream-cons c (loop (read-char p))))))) (define file-stream (file->stream "test.scm")) (stream-car file-stream) ;; -> the first character of the file.ファイルサイズが大きいと最後まで読み込んだ後にメモリの使用量が大変なことになるという難点があったりしますが(しかも束縛されているとGCもされないという二重苦)、必要になるまで読み込みは行わずまた、読み込んだ文字は常に再利用可能というメリットがあります。また、このSRFIは
port->stream
というAPIも用意していて、ポート位置の指定が不可能なポート等には便利に使えそうです(ただし文字ポートにしか使えないので、バイナリがいる場合は自作する必要があります)。参照実装ではストリームは伝統的なthunkで表現されていますが、処理系によってはもう少し賢く実装しているかもしれません(見たことはないですが・・・)。
今回はSRFI-41を紹介しました。
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