Syntax highlighter

2013-03-03

脱BoehmGCへの道 準備編(1)

2があるかは知らない。(たぶんある、Scheme48で)

SBCLは2種類のGCをサポートしていて、(たぶん)デフォルトでは保守的世代別GCが使われている。しかも、ランタイムの部分はCで書かれているといるので、これは読まなければならないだろうと思って読んだ(理解は微妙・・・)。

世代別GCがなんぞやという人はここが詳しい:GCアルゴリズム詳細解説

GCを実装する上で(個人的に)重要な点は、割付とGC部分の2箇所。メモリに対してどんなメタ情報を付与するのかと、どのようにルートをたどるのかという部分。この辺はGCレベル(何それ?)が高い人は違うのかもしれないが、レベル1以下の僕にはそう見える。

SBCLはメモリの割付をリージョンと呼ばれるヒープから割り付ける(スモールオブジェクト)。っで、こいつはページテーブル内で管理されていて、必要に応じて拡張されたりしている。(まじめに追ってない・・・)。

GCは保守的になる必要がある場合のみに保守的に行われる。具体的にはX86、X86_64な環境。ただし、それらの環境でもgc_and_saveで呼び出された場合はPreciseで行われる。(たぶんコアイメージの保存用?)。
保守的なGCは外部C呼び出し(Foreign C call)の際にのみ起きる(とコメントにある)ので、スレッドコンテキストからその辺りのPCを持ってきてポインタらしきものをマークしている。マークが終わると回収なのだが、回収はX86、X86_64以外の環境ではスタックを問答無用で回収する。どういう仕組みでX86、X86_64以外の環境がPrecise GCになるのかは(今のところ)不明。(FFIが無いとか言うシンプルな理由かもしれない)。回収自体はポインタサイズ(種類?)で回収の仕組みが違う。それぞれに適した回収と移動が実装されている。(うへぇ・・・)

読んでて気になったというか、やっぱりなぁと思ったのは、保守的GCという性質上どうしてもOS、アーキテクチャ依存の部分が出ざるを得ないということ。SBCLはその辺がかなりうまく分離されているので対象のコードを読むこと自体はあまり苦ではないのだが、自前でGCを持つということはBoehmGCが行っているハックを大なり小なりやる必要があるということが分かってちょっとがっかり。
後、SBCLはビルド時にホストとターゲットをビルドするのだけど、ホストがランタイムの設定及びヘッダファイル郡(genesis)を生成する。もっとも気になるのはthread.hでこいつはGCのコードでもスレッドコンテキスト等を取得する際に多用されている。これがビルド時に生成されるということは、ターゲットの環境によって中身が大きく変わる可能性があるということ(構造体のオフセットまで全部生成されてるし)。

規模が規模だけに全部を把握するのは難しいが、参考になる部分はたぶんにありそう。

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