Syntax highlighter

2014-05-08

R7RSのMLで何が起きたのか

別にたいしたことは起きてないんだけど、ちょっと気になるやり取りが(というほどですらないが)あった。

事の発端はJohn CowanがR7RSで数値塔に関することの多数決を取るためにMLに草案を投げたことにある。草案はこれこれ(改)。 で、どこで線引きするんだ?という議論にPeter BexとJohn Cowanが発展させて、何故かAndy Wingoが噛み付いた。以下がAndyの投稿(意訳)

> 標準ってのは実装者とユーザ間の契約だ。仮定が少なすぎるとユーザが苦しむし
> 多すぎれば実装者が泣きを見ることになる。こいつはGoldilocks問題で、
> 大き過ぎず、小さ過ぎず、ちょうどいいべきだ。
この議論は率直に言ってばかげてる。Dybvig、Flatt、Clingerたちはどこだ?
Feeleyは?俺がもっとも尊敬する実装者たちだよ。
(もちろん、ShiroやPeterがいてくれることには感謝してるよ。けど彼らが今の有権者を
成功に導くことを期待できないよ。) 前述のやつらが興味持ってないなら、なんでまだ
Schemeって呼ぶのさ?
Kent Dybvig(Chezの実装者)、Matthew Flatt(Racketの実装者の一人)、William Clinger(Larcenyの実装者)、Marc Feeley(Gambitの実装者)ですね。Shiroさんは説明する必要すらないでしょうが、Gaucheの開発者です。Peter BexはKawaの開発者。AndyはRatification Voteでこんなコメントをしているので、全面的にR7RSに賛成なShiroさんPeterでは彼が望む姿に持っていけないという意味でしょうか?(ShiroさんとPeterがR7RSに全面的に賛成しているというのは僕の妄想です)
質問ついでに、R7RS-smallの最終稿はどこだよ?なんでr7rs.orgにないのさ?
コアになる部分に強力で質のいい処理系の参加がないんだったら、R7RSは永遠に
端っこのSchemeと大して違わない標準にしかならないね。それに、こいつらが標準に
なるかもってのも、Johnが(勝手に)決めたことだろ?例えばvector-for-each、こいつを
Johnが投票用紙に並べて、多くの人が賛成票を投じた -- ひょっとしたら後者は必要で
すらなかったか、最低投票数とかないわけだし。SRFIプロセスはRnRSになったしな。
large版でこの違いと要求の議論が起きてるのって、なんていうか…なんだろうな。
なんていっていいのかも分からねぇよ。まぁ、頑張れや、けど俺を巻き込むな。
ちと訳に自信がない。現状のプロセスと人がいないことを憂いて去っていく感じですかね?これに対してJohn Cowanの返信
> この議論は率直に言ってばかげてる。Dybvig、Flatt、Clingerたちはどこだ?
> Feeleyは?
Wingoはどこだよ?
Andy WingoはGuileの開発者の一人ですね。 なかなか洒落が効いてて好きです。
(中略)

> large版でこの違いと要求の議論が起きてるのって、なんていうか…なんだろうな。
> なんていっていいのかも分からねぇよ。まぁ、頑張れや、けど俺を巻き込むな。
お仲間がいねぇからって、助けるわけでもなくお前はここを去るのか?高貴な身分だ
な!参加したらどうだよ?ここじゃ実装者視点ってのはすげぇ価値があるんだよ --
そいつが得られるならな。
中略の部分はWorking Groupではscheme-reports.orgの変更はできないし、r7rs.orgは別の人の持ち物だから触れもしないよ、という旨が書いてあります。r7rs.orgは2009年に出来て以来特になんら代わり映えしてないのですが、r7rs.comの方は一応R7RSの最終稿へのポインタがあったりするので、Andyの調査不足が露呈してたりします。

そういえば、上記のAndyが尊敬する処理系実装者のうち、Scheme処理系として開発を継続してる人っているの?RacketはRacket言語としての道を選んだし、ChezとLarcenyは開発とまってるし(ChezはCiscoで内部的に開発されているという噂もある)。Gambitは継続されてるのか、そこそこの頻度でコミットがあるな。

No comments:

Post a Comment